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09/09〜12[競走部]第81日本学生陸上競技対校選手権大会

新たな歴史を刻んだ競走部主将


 「4年間で一番楽しいインカレでした!」と笑顔で振り返るのは、今年度競走部主将・浦野晃弘(スポ4)。
入部当初から部の第一線で活躍してきた浦野だが、主将となった今シーズンはなかなか実力を発揮できないでいた。 「キャプテンだから1番を取らなきゃいけない、ここで見せなきゃいけないとか、変に考えすぎちゃって…」と主将ならではの重圧もそこにはあった。


 

200mでは見事自己ベストを更新した。

 過去2年間の全カレでは400mでともに3位入賞の実績を持つが、今大会直前までは「準決勝に行けるかどうかっていう位の調子の悪さ」と不安要素の方が大きかった。
それでも準決勝ではタイムで拾われ、決勝進出を果たす。 「みんなにも『ここまで来れたじゃん』って言われて。」
3年連続の決勝の舞台へと挑むこととなった。
 
 そして大会3日目の決勝。「決勝へ進む中で感覚を掴んできて。ちょっとこれベスト出そうだなっていうのがあった」とそれまでの不調と打って代わり、希望の光が見えてきた。
 結果は47秒21で5位。1レーンというカーブのきつさも相まって、順位も記録も決して良いものではない。しかしこのレースは紛れもなく浦野の復活走となった。

  「走る前からみんなが応援してくれた。だから『400mしんどいな』とは思わず、『楽しい!』って思えて。『走るの見てて!』って(笑)」
そんな楽しい雰囲気の中で走れたのも、浦野の人柄によるところが多いのだろう。
「もう本当に全部楽しかった」と満足げな様子が伝わってきた。

 そんな浦野だが、もう一つ懸念事項があった。
それは「自分たちの代は総合優勝をしていない」ということ。前前年度は駅伝3冠、そして前年度に両インカレ制覇という実績がある中、最上級生として、何より主将として流れを受け継がなければならないプレッシャーも大きかったに違いない。


 

 リレー三冠を目指す日本選手権リレーでは、「日本一の早稲田を見せつけたい」と語った。

 しかし今大会にて浦野は「創部以来初快挙を成し遂げた代の主将」となった。
関カレ・全カレでのリレー(4継、マイル)2種目制覇だ。
浦野自身もマイルの3走として出場。2走からバトンを受けるとすぐに2番手にあがり、200m付近で一気にトップへと躍り出た。「やっぱり何か残したい。そういう思いがありました」と後続と差をつけ首位でバトンパス。その想いに応えるかのように、接戦となったアンカー勝負では後輩・野澤啓佑(スポ3)がラストで意地を見せ、優勝を決めた。

 「新しい歴史を作る」―決して容易いことではない。
しかし、今年の競走部には勢いのある選手らが中心となり、部を引っ張っていく風潮があった。歴史を作り上げる準備は整っていたのだ。その中核にいたのはもちろん浦野である。そんな部を作り上げたことも浦野の功績だと言えるだろう。

  浦野の早稲田に対する貢献はまだまだ続く。
「やっぱり世界の舞台に出て早稲田に恩返ししたい」と、大学院に進学し、早稲田で競技を続けるつもりだ。
狙うは来年夏にロシア・モスクワで開催される世界陸上。ここに大学院一年目を懸けると言う。

 「世界陸上に出る」と意気込んだ昨年。そして苦しい中でも「主将として、競技者としてオリンピックに出る」と願った今年。どちらも夢は叶わなかった。
だからこそ次に懸ける想いは強い。3度目の正直となるか―。主将としての役割を全うした浦野が世界の大舞台へと挑戦する。

【浦野晃弘主将結果】
◇400m
予選1組7レーン 47秒15(3着) 準決勝進出
準決勝2組8レーン 46秒94(4着) 決勝進出
決勝1レーン 47秒21(5位)
◇200m
予選6組3レーン 21秒26(+0.8)3着 準決勝進出 自己新記録
準決勝1組8レーン 21秒48(-0.3)5着
◇4×400mR
予選2組5レーン 牧野-木村-永野-野澤 3分08秒91(1着) 決勝進出
決勝 4レーン 牧野-竹下-浦野-野澤 3分05秒75 (1位)

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT、PHOTO=矢野真由実)

 


 
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